はじめに
当ブログでは、私の経験を元にしたFIREに関する記事を書いていますが、今回は「FIREって何?」という方のために、FIREの基本的な概念から、具体的な種類やそのメリット・デメリットについて初心者の方にもわかりやすいよう簡単に説明します。
FIREってなに?
FIREは「Financial Independence, Retire Early」の略で、日本語にすると「経済的自立と早期退職」を意味します。近年注目されているライフスタイルで、主に資産運用を通じて仕事に縛られない生活を実現することが目標とされています。簡単に言えば、十分な資産を築いて仕事に縛られず、自分らしい生活を楽しんじゃおうというのがFIREの目指すところです。
FIREの実現には、以下のステップが必要とされています。
- 生活費を把握する 自分の年間生活費を明確にし、それを基に必要な資産額を計算します。
- 資産を形成する 資産運用や貯蓄を活用して目標額を達成します。
- 資産を管理する FIRE後は、資産運用の収益や投資からの収入で生活を賄います。
一般的に「年間生活費の25倍の資産」が必要とされ、これを基に4%ルールというものが運用されます。このルールでは、年間の生活費を資産の4%以内に抑えることで、資産を枯渇させずに生活を維持できるとされています。
FIRE実現へのステップについては下の記事内でもう少し詳しく触れています。

FIREの種類
FIREの5つのスタイル あなたに最適な方法は?
FIREにはいくつかの種類があり、それぞれ異なるライフスタイルや目標に応じて選択できます。
- ファットFIRE
高い生活水準を維持しながら早期リタイアを目指す方法です。多額の資産が必要ですが、ゆとりある生活を送りたい人に適しています。
- リーンFIRE
生活費を大幅に削減し、必要な資産額を抑えるスタイルです。シンプルな生活を好む人に向いていますが、余裕の少ない生活になる場合があります。
- バリスタFIRE
パートタイムやアルバイトで収入を得つつ、資産運用の収益を生活費に補うスタイルです。働きながらも自由な時間を楽しみたい人に適しています。
- サイドFIRE
フリーランスや副業を活用しながら、資産運用の収益を補完するスタイルです。自由な働き方を重視しつつ、多様な収入源を確保したい人に向いています。
- コーストFIRE
若い頃に必要な資産を築き、以降は資産運用の利回りだけでリタイア時に十分な資産を得るスタイルです。この方法では、資産運用が目的達成のカギとなり、FIRE達成までのプレッシャーが軽減される点が特徴です。
種類 | 特徴 | 難易度 | 必要な資産額 | 達成後の労働量 | 達成後の生活の自由度 |
ファットFIRE | 高い生活水準を維持するため、多額の資産が必要。ゆとりある生活を目指す人向け。 | 高 | 多い | 労働をしない | 高い |
リーンFIRE | シンプルな生活を重視し、必要な資産額を最小限に抑える。余裕の少ない生活になることも。 | 中 | 少ない | 労働をしないか非常に少ない | 中程度 |
バリスタFIRE | パートタイムやアルバイトで安定した収入を得つつ、資産運用の収益を補う。 | 中 | やや多い | パートタイムで収入を得る | 中程度 |
サイドFIRE | フリーランスや副業で柔軟に収入を得ながら、資産運用を補完するスタイル。 | 中 | 少ない | 副業やパートタイムで収入を得る | 中程度 |
コーストFIRE | 若い頃に資産を築き、資産運用の利回りでリタイア時に十分な資産を得る。プレッシャーが軽減。 | 低 | 非常に少ない | 労働をしないが計画が必要 | 高い |
バリスタFIREとサイドFIREの違い
バリスタFIREとサイドFIREは似ていますが、働き方や収入の得方において明確な違いがあります。
バリスタFIREの特徴
- 雇用契約に基づく働き方:主にパートタイムやアルバイトとして働き、社会保険に加入できる場合が多い。
- 収入の安定性:固定収入が得られるため、リスクが低い。
- 生活リズムの安定:労働時間が規則的で、生活リズムを整えやすい。
サイドFIREの特徴
- フリーランスや副業による収入:自分のペースで働ける自由度が高い。
- 収入の変動性:収入が月ごとに変動する可能性がある。
- 柔軟な働き方:仕事量やスケジュールを調整しやすい。
主な違い
バリスタFIRE | サイドFIRE | |
働き方 | 雇用契約に基づく働き方 | フリーランスや副業による働き方 |
収入の安定性 | 安定している | 変動する可能性がある |
社会保険の恩恵 | 受けられる場合が多い | 基本的になし |
主な目的 | 規則正しい生活を維持しながら安定を求める | 自由な生活を楽しむ |
FIREの種類に対するさまざまな考え方
一般的にFIRE(Financial Independence, Retire Early)の種類は、従来からいくつかの定義がされています。しかし、実際のところ、その捉え方は人それぞれで意見が分かれるところでもあります。
例えば、バリスタFIREやサイドFIREについて、「経済的自立を果たしていないのだからFIREとは言えない」という意見がある一方で、「コーストFIREはリタイアしていないのだからFIREではない」と主張する人もいます。このように、FIREの定義には多様な解釈が存在します。
私個人の意見としては、FIREの種類をシンプルに 完全FIRE と サイドFIRE(ここではバリスタFIREなども広義にサイドFIREと捉える)という2つに分けるのが妥当だと考えています。その違いは、「仕事をするかしないか」です。
「仕事をしている=経済的自立を達成していない」という見方をする方もいるかもしれませんが、仕事をする理由は人それぞれです。たとえば、
- 生活費を補完するために働く人
- 暇つぶしや社会とのつながりを求めて働く人
- 経済的な余裕があるからこそ、以前は挑戦できなかった事業に取り組む人
といったように、多様な動機があります。
このため、私は サイドFIREもFIREの一形態として十分達成した状態 とみなしています。
FIREを目指すプロセスや到達点は人それぞれ異なります。自分に合ったスタイルを見つけ、それをどう捉えるかが大切なのではないでしょうか。
FIREのメリットとデメリット
メリット
- 自由な時間が増える FIREを達成することで、労働から解放され、自分の好きなことに時間を使えるようになります。例えば、趣味や旅行、家族との時間を増やすことができます。また、自分自身のスキルアップや新しい挑戦に時間を割くこともできます。
- ストレスの軽減 労働から解放されることで、仕事のプレッシャーやストレスが軽減されます。これにより、心身の健康を維持しやすくなり、より充実した生活を送ることができます。また、ストレスが減ることで、生活全般の満足度も向上します。
- 経済的な安心感 十分な資産を築くことで、経済的な不安から解放されます。将来の不確実性に対する備えができるため、予期せぬ出来事にも冷静に対処できるようになります。また、資産があることで、家族や大切な人たちに安心感を与えることもできます。
- 自己実現の機会 FIREを達成することで、自分自身の夢や目標に集中できるようになります。例えば、新しいビジネスを始めたり、社会貢献活動に参加したりすることができます。これにより、自己実現の機会が広がり、人生に対する満足感が高まります。
デメリット
- 資産形成に時間がかかる FIREを達成するためには、多額の資産を築く必要があります。そのためには、長期間にわたって節約と貯蓄、投資を続ける必要があります。このプロセスは時間と労力を要し、途中で挫折するリスクもあります。
- 市場リスクの影響 FIREを達成するためには、投資が重要な役割を果たしますが、投資には市場リスクが伴います。市場の変動や経済状況の悪化により、資産が減少する可能性があります。特にリタイア後に資産が減少すると、生活に直接影響を与えるリスクがあります。
- インフレーションリスク 長期間にわたって資産を保有する場合、インフレーションによって実質的な資産価値が減少するリスクがあります。物価の上昇に伴い、リタイア後の生活費が増加する可能性があるため、インフレーション対策を考慮する必要があります。
- 社会的なつながりの喪失 仕事を辞めることで、同僚や職場の人々とのつながりが減少する可能性があります。これにより、孤独感を感じることがあるかもしれません。また、社会的な役割が変わることで、新しい環境に適応する必要が生じます。
- 生活の変化への適応 リタイア後の生活は、仕事をしていた頃とは大きく異なります。時間の使い方や日常のルーティンが変わるため、新しい生活スタイルに適応する必要があります。適応がうまくいかない場合、生活の質が低下することも考えられます。
おわりに
FIREは、経済的自由と早期リタイアを目指すライフスタイルですが、その実現には明確な目標設定と計画が必要です。また、FIREにはさまざまな種類があり、自分の価値観やライフスタイルに合ったスタイルを選ぶことが重要です。
バリスタFIREやサイドFIREのように、働きながら資産を活用する選択肢もありますので、自分の理想の生活に近づける方法を模索してみましょう。