自転車のヘルメット着用、2年経ってどう変わった?

閑話

2023年4月1日から、自転車に乗る際のヘルメット着用が努力義務化されました。あれから2年が経ちましたが、私たちの生活の中でどのような変化があったでしょうか。

私自身、日々街中で自転車に乗る人を見かけます。そこで感じるのは、「思ったよりは着用している人がいるな」ということです。さらに、努力義務化が始まった当初よりも、着用率が少しずつではありますが増えているように思います。ただ、日によって差があるため、明確な数字で表すのは難しいのが正直なところです。

ヘルメットをかぶらない理由

ヘルメット着用率が上がりつつある一方で、やはりまだ多くの人が着用していないのも事実です。特に、学生のヘルメット未着用が目立ちます。彼らの年代では、どんなデザインのヘルメットであれ、「かぶること自体がダサい」と感じてしまう傾向が強いように思います。これは単なる見た目の問題ではなく、長い時間をかけて意識を変えていく必要がある部分でしょう。

また、ヘルメットをかぶることで髪が潰れてしまうという問題もあります。私自身も、帽子すら被れないほど髪型が崩れるのが苦手です。特に社会人にとって、仕事中の見た目は重要なため、これがヘルメットを敬遠する理由になっていることも理解できます。さらに、夏場は蒸れやすく、長時間の着用が不快に感じる人も少なくありません。

親がヘルメットをかぶらない問題

もう一つ気になるのが、子供を自転車に乗せる親のヘルメット着用率です。しっかりと着用されている方も多いですが、中には子供にはヘルメットをかぶらせているのに、自分はかぶっていない親を見かけることがあります。また、チャイルドシートを積載した自転車で、子供が同乗していない場合にヘルメットを着用せずに運転している姿も見られます。恐らく、子供が見ていない時は良いだろうと考える人も多いのだろうと思います。

子供にヘルメットをかぶるよう指導する時に、親自身もしっかりと着用をして欲しいなと思っています。子供は親の行動をよく見ており、「大人はかぶらなくていいのか」「ヘルメットは子供のもの」と学習してしまうことで、小学生や中学生になった際にヘルメットを避けるようになる可能性があります。「ヘルメットを被るなんてガキっぽい、ダサい」と言う子が一定数いることで、きちんと「かぶっている子をからかう」といった風潮を生む可能性もあります。親がヘルメットを着用しないことで、社会全体の意識改革が進まない原因になります。子供たちだけでなく、周囲の大人たちもその姿を見ています。社会全体でヘルメット着用を当たり前のこととして受け入れるためには、まずは大人が率先して模範を示すことが重要です。

また、親自身が事故に遭った場合、子供は無事でも親が重傷を負うリスクがあることを考えると、親自身の安全も確保する必要があります。それは決して自分の身の安全という話だけではありません。事故が起こって、子供はヘルメットをつけていたため無事だったが、親はヘルメットをつけていなかったために障害が残ってしまったとか、最悪の場合亡くなってしまったとなったらいかがでしょうか。チャイルドシートにのるような幼い子が、そのような環境の中で生きていくのは不幸としか言えませんよね。親になるということは、親である責任が発生しています。特別な事情がある方もいるかも知れませんが、中高生と同じように、「ダサいから」「おしゃれをしたいから」などという身勝手な言い訳だけはしないで欲しいと思います。

スーツ姿でのヘルメット着用

個人的には、スーツ姿でスポーティな自転車に乗り、ヘルメットを着用している人のスタイルがかっこいいと感じます。特に、女性がオフィスカジュアルでヘルメットをかぶっている姿も、とてもスマートに見えます。このようなスタイルがもっと広まり、ヘルメットのイメージが変わっていくと、着用率も上がるのではないかと思います。

最近では、ビジネス向けのスタイリッシュなデザインのヘルメットも登場しており、見た目を気にする人でも受け入れやすい傾向にあります。例えば、折りたためるタイプやキャップのように見えるデザインなど、多様な選択肢が増えています。こうしたトレンドが広がれば、通勤時のヘルメット着用がもっと一般的になるかもしれません。

ヘルメット文化を根付かせるために

ヘルメットのデザインや快適性が向上してきているとはいえ、着用を広めるには時間がかかります。大人が率先してかぶることで、次世代の子供たちにも「自転車にはヘルメットが当たり前」という意識を浸透させることが重要です。現在の中学生、高校生達の、ヘルメットはダサいから着けたくないという意識を変えて行くには、親の姿を見て幼少期からヘルメットをつけることが当たり前という環境で育った子達が成長することで、自然に浸透させていくのが一番効率が良いと思います。

また、自治体や企業が積極的にヘルメット着用を推奨することで、社会全体の意識改革が進む可能性があります。例えば、一部の地域ではヘルメット着用を条件に自転車保険の割引を行うなど、インセンティブを設ける動きもあります。このような取り組みが全国的に広がれば、より多くの人がヘルメットをかぶるようになるかもしれません。

努力義務とはいえ、命を守るために必要なヘルメット。ヘルメットをかぶることが「ダサい」ではなく、「当たり前でかっこいい」となる未来を目指したいものです。



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