物欲はあまりないが時間が欲しい

FIRE生活

よく、節約のためにスーパーをはしごするという話があります。チラシで特売情報を確認して回ったり、いつも使っている商品について、これはこのスーパーが安い、あれはあのドラッグストアが安いという情報が頭に入っていて、お店を使い分けるというやり方です。

この話になると、一部の人はこれを批判します。「時間がもったいない」「時は金なり」「その時間を仕事や有意義なことに使ったほうが得だ」という考え方です。確かに、あちこち巡るのは疲れますし、時間もかかります。ですが、その分浮いた時間をどれだけ有意義に過ごせるだろうか、そんな意識の高い人間にはなれないと思うかも知れないが、少し横になって一息つけるだけでも、その時間は十分有意義だと私は思います。

買い物は、やはり生活のための手段であって欲しいと考えます。食事をするための買い物。節約のためとはいえ、あっちへこっちへとお店を使い分けて回ることは、それ自体が目的になってしまっているようにも感じます。節約のためには手段であっても、生活の中ではその手段が重すぎて、本末転倒になっていることもあると思うのです。

もちろん、少しでも安く買いたいという気持ちは私にもあります。ですが、節約が大好きで、スーパーを何件も回ることが楽しくて仕方がない、という人であれば、それは趣味と実益を兼ねた素晴らしい生き方です。けれど、節約のため仕方なくやっているのであれば、そんなことはしたくない、というのが本音ではないでしょうか。

私は歩くことが大好きです。ウォーキングがてら歩いていると、自然と3軒か4軒ほどスーパーやドラッグストアの前を通りかかります。そこでお買い得な商品を見つけてリュックに詰め、また歩き出す。リュックが重くなっていくのも運動負荷が高まって願ってもないことです。もはや買い物のためだけにわざわざ外出するのももったいないと感じます。

FIREという生き方をしていて、時間の節約を気にすること自体、不思議に思われるかもしれません。でも、この生活をしているからこそ、時間の大切さをより強く感じています。会社員時代は、時間に追われて過ごすことが当たり前で、意識しないうちに時間がどんどん過ぎていました。一日の終わりにたった30分でも自分の時間がとれれば満足しておりました。けれど、自由に時間を使えるようになった今だからこそ、自分の時間がいかに貴重で、有限であるかを強く意識するようになりました。

以前よりも圧倒的な自由時間を手に入れ、以前よりも自分のやりたいことに時間を使うことができている。しかしどこか自分の理想とは違い、今でも時間に追われてしまっている感覚がする。以前よりも時間を求めている自分がいる。限られた時間の中で、本当に納得できるように過ごすにはどうしたらいいのか。
せっかく時間を手に入れたのだからと、欲張ってあれもこれもやろうとしてしまう。自分がやりたいことだから始めると熱中してしまって、時間を忘れて没頭する。だからまた、「あれもやりたかったのに、これもやりたかったのに」と思って1日が終わる。そんなジレンマを日々感じています。「何にどれだけの時間を使えばよいのか」が明確にならず、毎日が取捨選択の連続となっているのです。

気をつけていることの一つが、夜しっかり眠ることです。会社員時代は慢性的な睡眠不足で、休日は遅く起きたり、昼寝を2〜3時間したりして、必要な休息とはいえ「1日を損した」と感じることもありました。今は夜しっかり眠り、昼間はすっきりと活動できるようにしています。特に、朝から午前中の時間帯を充実して過ごせると、一日通して満足感が高くなるように思います。午前中に見たかった映画を一本観てのんびりする、それだけでも良いのです。

今、私はどうやったら充実感とゆったりとした時間のバランスを取れるのかを模索している最中です。やりたいことをすべてやるのは難しい。だからこそ、しっかりとやりたいことを選んで、欲張りすぎないこと。日々慌ただしく活動し、そのような毎日に充実感を感じる方もいる。しかし自分はそうではないことを改めて感じています。あれもこれもやって時々休むというよりも、ゆったりとした時間の中にやりたいことをはめ込む。そんな生き方ができたら、きっと満足感も上がるのではないかと思っています。


タイトルとURLをコピーしました