筋トレのやる気が出ない日々を乗り越えるための実践ガイド

健康

【はじめに】

誰しも、やらなければならないことがあるにも関わらず、やる気がなかなか湧かない経験をしたことがあるでしょう。学生時代、テスト前に勉強しなければならないのに最初に教科書を開くまでに苦労した経験があるのではないでしょうか。この「やる気」問題は生活のあらゆるところで顔を出します。筋トレに関してもご多分に漏れず、続けているうちに、どうしてもやる気が出ない日がありますよね。本記事では、私自身が試行錯誤してきた具体的な方法をもとに、筋トレにおけるやる気のでない時の対処法を解説します。まずは、やる気が出ない原因と向き合うことの大切さについて触れ、次に具体的な対策やアプローチを紹介していきます。

【やる気が出ない原因とその対処法】

やる気が湧かない理由は、多岐にわたると思います。疲労感、体調不良から来ることもあるでしょう。他にやりたいことがあるために筋トレに向かっていく気がそがれることもあるでしょう。天候や気温の影響、さらには筋トレそのものへの飽きなどもあります。まずは自分自身と向き合い、何が原因でやる気が低下しているのかを正しく把握することが第一歩です。
例えば、疲労や体調不良が原因なら無理にトレーニングを行うより、しっかりと休息を取ることが大切です。環境的な要因であれば、エアコンで室温を調整したり、ストレッチで体を温めたりする工夫が効果的です。今から行う筋トレのことを考えると面倒になってしまうということがあれば、もしかすると筋トレのメニューの組み方に問題があるかもしれません。1日のトレーニング量、トレーニング時間を見直すことによって、心理的な負担が減り、解決するかもしれません。
最もやっかいなのは、筋トレに飽きてしまった、何だか分からないけどやる気が湧かないなどの状況です。
そのような時にどうやってやる気を引き出したり、筋トレを継続できるように工夫したかを紹介したいと思います。

【絶対的な方法はない】

私自身が実践した方法は多岐にわたります。しかし、「これをやれば必ずやる気が湧いてくる」という方法はありません。その時その時で手を変え品を変え、対応していくしかありません。ましてや人が違えば同じ手法でも効果の出方は全く代わってくる可能性があります。
例えば、筋トレについて解説しているウェブページなどでは、ジムでトレーニングしている場合、「ジムにさえ行ってしまえば自然にスイッチが入る」などと言ったことが書いてあったりします。これは、サラリーマンにとっての仕事と似ていると思う。やる気があろうが無かろうが、会社に行けば仕事をする。それが当たり前である。しかし、この場合、私にとってはジムに向かう事がそもそもの障壁になるのです。筋トレはやらなかったところで生きていけないわけでは無いし、やらなかったところで誰に文句を言われるわけでもない。仕事に行かないことに比べ、ジムに行かない事はとても簡単なことなのです。なので、私のような人間は、やる気の無いときにはそもそもジムに行く気さえ起きないのである。もっと言えば、ジムに行くことそのものが面倒で筋トレが続かないまであるだろう。よって、私にとってはそのような方法は有効とは言えません。
結局は色々試して自分で確かめてみなければならない。
私自身に効果があったもの、効果を感じにくかったもの、そして注意すべき点を具体例を交えてご紹介します。

【実際に試した具体的な方法】

トレーニングウェアへの着替え

毎回、専用ウェアに身を包むことで「このウェアを着たらトレーニングをする」という事を自分の脳に覚え込ませます。専用のウェアに着替えることをトリガーとして、やる気を引き出す作戦です。しかし、実際は着替えまではしたものの、そのまま日が暮れてしまった経験が多々あります。

理想の体型の画像やポスターを見る

なりたい姿を強くイメージするために、理想の体型の画像やポスターを活用する方法です。その際に姿見を用いて自分の現状と理想を比較することで、ギャップを実感し、より効果的になります。ただし、スマートフォンで画像を漁ってしまうと逆に気が散る可能性があるため、紙媒体で準備しておく方が良いと感じました。やる気のなさの度合いが高い時には特に、スマホを使うと簡単に他のことに興味を持って行かれるので注意が必要です。

スポーツドキュメンタリーの活用

実際にトレーニングに励む姿を映したドキュメンタリーを見ることで、選手たちの真剣な取り組みに刺激を受け、自然と自分も動き出したくなる方法です。これは、こういった番組でトレーニングを行っている場面などを見ると無性にトレーニングをしたくなるときがあるという経験から、それならやる気が出ない時のモチベーションアップの方法として使えるのではないかと思って試してみた方法です。あらかじめ興味を持てる映像を準備しておくことで、やる気が低下しているときの追い風となります。
私としては割と効果が出やすい方法でもありました。デメリットとしては、あらかじめ映像を準備しておく必要があることです。単純に筋トレ系の動画で良ければそこら中にあふれかえっていますが、よくある筋トレを解説しているようなものでは、少なくとも私の場合はあまり効果を感じなかったです。あくまでもドキュメンタリー番組のようなものが効果的でした。また、内容を知っているものを2度や3度見ようという気持ちにはならないため、自分が興味を持ってみられそうなものを普段からストックしておかなければならないという点で手間がかかってしまいます。

アップテンポな音楽を聴く

理論上は音楽のリズムで気分を盛り上げられるはずですが、私の場合はトレーニング前に音楽をかけても効果は感じられず、トレーニング中にかけた際にはかえってペースが乱れて集中力がそがれてしまい、好きではありませんでした。

自分自身の理想像を妄想する

上で書いている画像を見る方法と若干似ている方法かもしれませんが、こちらは「自分が理想の体型を手に入れた姿」を具体的に想像し、現状のサボりがその夢を遠ざけると自分を戒める方法です。効果は感じましたが、筋トレに行き詰まっているとき、頑張ってトレーニングしているが、効果が感じにくくなっているときには、理想の体の実現が遠く感じてかえってやる気をそぐ結果になることもありました。

ながら運動法の採用

テレビや動画を見ながらトレーニングを行うことで、楽しみながらも最低限の運動を継続できる方法です。はっきり言って集中はできませんが、まるっきりサボってしまった場合よりはその後のモチベーション維持には繋がると思います。
私自身が最もやりやすいと感じるのはテレビ番組です。「ながら」といっているくせに、番組をしっかり楽しみます。そして、CMにはいった瞬間に筋トレを行います。番組は普通に楽しみ、CMの間だけ頑張るというメリハリをつけることで、その間だけは集中して取り組みやすくなるし、CMに入ったら行うというルールにしておくことでスタートのきっかけが作りやすいです。

トレーニング実験法

普段のルーチンを一旦中断し、新たなトレーニング方法や動きを模索してみるという方法です。遊び感覚で体を動かしながら新鮮な刺激を得ることができますその際に、ネットでトレーニング種目を調べてしまうと、永遠情報収集してしまうという罠にかかる可能性があるので、それは御法度です。とりあえず自分の体を動かしてみて、「こんな動きをしたらここの筋肉を使えるな」とか、「ここの筋肉を使うにはどんな動きをしたら良いのかな」など、トレーニングという意識ではなく遊び感覚で体を動かそうというものです。色々工夫しているうちに、普段のトレーニングのヒントが見つかることもあります。普段行っているトレーニングにもうひと動作加えたり、動作の中で意識をした方が良いポイントに気がついたりして、普段のトレーニングがより充実したものに進化するきっかけになるかもしれません。
私はこの方法はわりと好きな方法です。普段使わない筋肉も使ったりするので、気分転換として優秀だと思います。

諦めてリフレッシュする

一度、完全にトレーニングから離れてリフレッシュする方法です。ただし、気分に任せて休む期間が長引くと、やる気が戻らなくなる恐れがあるため私にとっては一番危険な方法です。これをやる際には、思い切って一週間程度は間を開けても良いので、あらかじめ次のトレーニングの日程をはっきり決めておき、その日にはなにがなんでもやるという覚悟でいないと、楽な方へ流されてしまいます。

妥協して軽めのメニューをこなす

やる気が出ないことを悩まず、受け入れてしまいましょう。ただ、上の「諦めてリフレッシュする」方法と違うのは、やる気が完全に戻らなくても、今日は1種目だけ、または軽い負荷で2~3種目を1セットずつだけ実施するという方法です。全く運動しないよりは、継続するための足がかりとなります。この方法は、うまくいくと下の「とにかくやる」に繋がります。

とにかくやる

最もシンプルながら効果的な方法は、とにかく一度体を動かし始めることです。「やる気なんか後から勝手についてくる」ってやつです。根性論的な、力任せなやり方に感じるかもしれませんが、しっかりと体を動かすことで、走るときのランナーズハイのように、体内でドーパミンなどの脳内物質が分泌され、、始める前のやる気のなさが嘘のようにめきめきとやる気が出てきたりするのです。その際体験として感じたのは、ある程度しっかりと体を動かしてやることが大事だと思いました。私が実際にやった時は、軽めの運動だとなかなか気持ちは上がってきませんでした。はじめに、今日は1セットだけでいいから、この1セットだけはしっかりやろうと自分に言い聞かせ思いっきり追い込んでやります。1セット終わると、せっかく苦しい思いをしたのに効果がないともったいないからと、もう1セットだけと思って追い込みます。するとあら不思議、気がついたらもっともっとという状態なわけです。

これまでの体験から分かったこと

ここまで書いていて気がつきましたが、要は、脳内物質さえ出してやることができれば、やる気は上がりやすくなるということです。それならばトレーニング開始前に、あらかじめそのような状態に持って行くことができれば万事解決ということですよね。

ではそのような方法は無いのか、トレーニング開始前にドーパミンを分泌させる方法を調べてみました。

ドーパミン分泌を促すためのアプローチ

やる気の源である脳内物質ドーパミンの分泌を促すため、トレーニング前に行うと有効であるという方法と私の所感です。

音楽を聴く

アップテンポな音楽は、理論上ドーパミンの分泌を促します。

→私も試してみた方法です。私の場合は十分な効果を感じることはできませんでした。

具体的な目標設定

筋トレの目標を明確に設定し、理想の体型に近づきたいという意欲を高めることで、脳内にドーパミンが分泌されやすくなります。

→私がやった「理想の体型の画像やポスターを見る」の方法に近い方法でしょうか。

過去の成功体験を思い出す

過去に達成したトレーニングの成功体験や喜びを思い出すことで、ドーパミンの分泌を促すことができ、自信が回復し、自然とやる気が引き出される場合があります。

→私はこの方法はあまり効果を実感できませんでした。

仲間と一緒にトレーニングする

仲間と共に励まし合い、競い合うことで、トレーニングへのモチベーションが向上します。

→ジムトレには導入しやすい方法で、恐らく効果はあります。ただ、家トレの場合、家に人を呼んでトレーニングしたくありません。
この方法の応用として、私の体験の中の、「ドキュメンタリーを見る」のはこれに似た要素があるのかもしれません。実際に画面の中の人物と競うわけではないが、人の頑張る姿が刺激になるのだと思います。

ご褒美を設定する

トレーニング後に自分へのご褒美を設定することで、ドーパミンの分泌を促すことができます。ご褒美は、好きな食べ物や趣味など、自分が喜ぶものであれば何でも構いません。

→これはいいかもしれませんね。人間なんて単純なものです。ご褒美があると頑張れます。動物だってご褒美ほしさに芸を覚えます。ガチトレ勢は食事にもかなり気を遣うのでしょうが、そこまでではない私としては、トレーニングで動いた分は食べても大丈夫と考えれば良いと思います。また、食べ物以外でも、トレーニングを終えたあとに風呂に入った爽快感や、このトレーニングを終えたら今日の残りの時間はのんびり過ごすとかをご褒美として捉えられるようになれば良いですね。風呂に関しては、良い入浴剤を準備しておき、今日頑張ったらあの入浴剤を使っても良いとか設定すると良いかもしれないです。ある程度の期間継続して頑張れたらスパやマッサージなどをご褒美にするというのも良いかもしれません。

イメージトレーニング

自分自身が理想の体型を手に入れた状態を具体的にイメージすることで、目標達成に向けた行動意欲が高まります。

→私の体験「理想の体型を手に入れた自分を想像する」と似たような部分がありますね。筋トレしている姿を想像したことも実際にありますが、想像だけして終わる事も多いです。

適度な運動によるウォームアップ

軽い有酸素運動やストレッチで体を温め、脳内環境を整えることも、筋トレへのスムーズな移行に役立ちます。

→私の「とにかくやる」と理屈は同じなのでしょうが、こちらでは軽い運動と書いてありました。

私も軽めのストレッチなどの準備運動ぐらいはしたことはあるのですが、それだとなかなか気持ちがのっていきませんでした。私の場合は上記の通り、しっかり体を動かしてやらないとだめでした。

筋トレ前に有酸素運動はしたことがないですね。現在は筋トレ→ウォーキングの流れで行っていますが、どうしても筋トレのやる気が湧かない時は、その逆ならスムーズに行くかもしれません。歩き始めると、楽しくなってもっと歩きたいという精神状態になってくるので、そのポジティブな気持ちのまま筋トレに持ち込んでしまえば良いかもしれません。

禁じ手?深夜トレーニングの活用と脳科学的背景

普段のトレーニングが上手くいかない場合や、急にやる気が湧かないとき、深夜にトレーニングを行うという選択肢もあります。夜遅くになると、なぜか謎にテンションが上がってくる事って有りますよね。あれを利用します。一応脳科学的にも理由は示唆されています。

■神経伝達物質のバランスの変化

深夜は、体内のサーカディアンリズム(生体内時計)の影響で、通常は睡眠を促すために分泌されるメラトニンの影響が個人差はあるものの一時的に相対的に低下する場合があります。その結果、興奮作用を持つドーパミンやアドレナリンの分泌が相対的に優位になり、一時的な高揚感や集中力の向上が得られることがあります。

■脳の覚醒と抑制のバランスの変動

また、昼間のストレスや疲労が夜になるとある程度解放され、脳がリラックス状態に移行するため、通常は抑えられている感情や衝動が表れやすくなります。これにより、「とにかくやる」という衝動が生まれ、普段ならためらってしまう行動に踏み出しやすくなるのです。さらに、深夜は静かで周囲の刺激が少ないため、自己制御機能が緩み、自由な発想でトレーニングに集中できる環境が整います。

■個人差と注意点

ただし、こうした神経生理学的な変化は個々の体内時計や生活習慣、遺伝的要因によって大きく異なります。深夜にやる気が湧きやすいと感じる人もいれば、逆に体調を崩す原因となる場合もあるため、激しい運動は避け、軽めのメニューで様子を見ることが重要です。また、深夜トレーニングは睡眠の質に影響を及ぼすリスクも伴うため、十分なクールダウンや翌朝の休息、適切な栄養補給を心掛ける必要があります。そのため、深夜のトレーニングは習慣的に行うことはさけた方がいいでしょう。どうしてもというときにはきっかけづくりとしてこれを利用することもできるかもねという方法です。メリットとデメリットを考慮して行う必要があります。

■深夜トレーニングのメリットとデメリット

メリット

集中しやすい: 夜は比較的静かで、集中しやすい環境でトレーニングできます。仕事や学業後など、日中の疲れが抜けてリラックスした状態で取り組める場合もあります。

• 体温が高い: 一般的に、夜は体温が高くなっているため、筋肉が温まりやすく、怪我のリスクを減らすことができます。

• 成長ホルモン: 成長ホルモンは、睡眠中に多く分泌されます。夜に筋トレを行うことで、成長ホルモンの分泌を促し、筋肉の成長を促進する効果が期待できます。

デメリット

• 睡眠への影響: 激しい筋トレは、交感神経を刺激し、睡眠を妨げる可能性があります。寝る直前の筋トレは避け、少なくとも2〜3時間前には終えるようにしましょう。

• 疲労: 夜遅い時間の筋トレは、疲労が蓄積している状態で行うことになるため、パフォーマンスが低下する可能性があります。無理のない範囲で行いましょう。

• 食事の時間: 筋トレ後、適切な栄養補給を行うことが重要ですが、夜遅い時間帯では食事のタイミングが難しい場合があります。

おすすめの方法とその実践順序

ここまで私の実戦してきた方法と、ドーパミンを分泌させてやる気を引き出す方法をみてきました。

私としては、やる気ゲージのまだましな状態から本当にひどい状態まで、その度合いによって、以下の順序で試すことをおすすめします。
1.理想の体型の画像を見る、または自分が理想の体を手に入れた姿を強くイメージする。
2.とにかくトレーニングを始め、軽い負荷であっても実際に体を動かす。
3.妥協して、今日は1種目だけ、または軽めのセットをこなすなど、無理のない範囲で運動を継続する。
4.トレーニング実験法で新たな動きを取り入れ、普段のルーチンに変化を加える。
5.ながら運動法やスポーツドキュメンタリーを活用し、他者の頑張る姿に刺激を受ける。
6.場合によっては、深夜のテンションを利用して短時間のトレーニングを試みる。
7.どうしてもやる気が戻らないときは、あらかじめ次のトレーニング日を設定し、諦めてリフレッシュ。

まとめ

やる気が出ない状態は誰にでも訪れるものであり、その原因は多岐にわたります。まずは自分自身と向き合い、なぜやる気が湧かないのかを正確に把握することが大切です。そして、トレーニングウェアへの着替え、理想像の視覚化、スポーツドキュメンタリーの視聴、ながら運動、トレーニング実験法、そしてとにかく体を動かす行動など、さまざまなアプローチを試し、自分に合ったやる気の引き出し方を見つけましょう。さらに、脳内物質であるドーパミンの分泌を促す工夫や、深夜における神経生理学的な変化を上手に活用することで、一時的な高揚感を得ながらも健康面へのリスクを十分に管理し、継続的な筋トレを実現することが可能です。


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