国民年金の免除申請と自己運用の選択肢

FIRE生活

先日、無事に退社日を迎え、厚生年金から国民年金(正確には第3号被保険者から第1号被保険者への切り替え)の手続きを行いました。当初は役所に出向いて必要書類や受付手順を確認しようと考えていましたが、前夜に必要書類などを確認していた時に、オンラインで手続きが可能なことに気づき、マイナポータルアプリを利用して手続きを進めることにしました。

マイナポータルからログインし、「年金」の項目を選択して申請を開始。途中、退職日の確認書類のアップロードが必要でしたが、スムーズに進められました。申請後はアプリ内で状況を確認でき、手続きの利便性を実感しました。


国民年金の免除申請

この手続きの中で、国民年金の免除申請もオンラインで可能であることを知りました。FIRE達成者にとって、国民年金を継続して納付するか、免除申請をしてその資金を自己運用するかは重要な選択肢です。満額納付による将来の年金受給と、自己運用による資産形成、どちらが有利かは明確な答えが出しにくい問題です。

国民年金を全額納付した場合のメリット

  1. 確実な年金受給 全額納付すれば納付期間が長くなるほど将来の年金額が高くなります。40年間納めれば、老後に一定額の年金が確実に支給されます。
  2. リスクのない安心感 国の制度に基づく保証があるため、市場の変動リスクを気にせず、安定した収入として期待できます。

免除申請と自己運用のメリット・デメリット

  1. 即時の資金確保 免除により支出が抑えられ、浮いた資金を投資に回すことができます。
  2. 投資リターンの可能性 株式投資で年率5〜7%のリターンを得られれば、国民年金の利率を上回る可能性があります。ただし、元本保証がなく、下落リスクがあります。
  3. 将来の年金受給額の減少 免除期間は加入期間としてカウントされますが、受給額は全額納付時より低下します。

判断のための重要ポイント

  • リスク許容度 市場変動リスクをどこまで許容できるか。
  • 期待リターンと比較 年金受給額と投資リターンをシミュレーションし比較。
  • 老後の生活設計 年金の役割を明確にし、他の資産や収入とのバランスを検討。

難しい選択と不確定要素

この問題は、とにかく不確定要素が多いために判断が難しいのです。たとえば、満額納付による将来の年金額、自己運用によるリターンは、寿命や市場環境により変動します。さらに、現行制度では、全額免除であっても一定割合の納付が反映される計算がされているとはいえ、将来的に制度が改悪されるリスクも否定できません。このような、制度の変更や改悪のリスクも否定できません。

私の現状と考え方

どちらを選択すべきかは、一概には決められません。私自身、現時点でどちらが最適か判断がついていません。ネット上では「免除がお得」とする意見が目立ちます。ネット上の動画で情報を集めようとすると、「免除申請で保険料が不要になる」部分を強調する情報が目立ちます。その意見が間違っているというわけではないですが、「免除もできるけど、ちゃんと払った方が良いよ」というものよりも、「免除できるよ。免除を受けても半分は払ったことになるからお得だよ。」という内容の方が興味を引いてアクセスを増やしやすいため、そちらに傾きがちなのではないかと感じています。

FIREを達成した人々の中には、投資経験が豊富で免除を受けた資金を自己運用しようとするケースが多いように感じます。私自身、金銭的な観点からは、自己運用のリターンが年金受給額を上回る可能性があると感じますが、年金の安定性や自動受給の安心感も大きな魅力です。年金には一度手続きをすれば生涯自動的に受給できる安心感もあります。面倒な手続きが不要で、将来にわたって安定した給付を受け取れるという点は大きなメリットです。一方で、自己運用で上乗せリターンを狙う選択も、理論上は魅力的ですが、リスクや手間、さらには自身がどれだけ市場環境に対応できるかという不安もあります。今現在の自分にとってはそこまで苦ではなくとも、20年後、30年後の自分がどのような状態であるかもまた不確定な要素です。その頃には体力、知力が衰え、自分自身で資産の管理を行うこと、投資資産の取り崩しの作業も負担に感じるかも知れません。

長生き保険としての年金活用

考え方の一つとして、年金を他の資産とは切り離して考え、「長生き保険」として割り切る考え方を持っています。年金に大きな期待はしていません。今後も改悪が重ねられる可能性も十分あると思っています。しかし、とりあえず生涯にわたり一定額を受給できる点を活かし、それ以外の資産を基本資金として管理していく考え方です。年金で受け取る金額は、老後の基本的な資金とは別のものとして位置づけ、あくまでも長生きした時のための保険だと割り切ってしまうのです。それ以外の資産をきちんと管理し、年金を払った上で老後の基本資金は年金以外の資産でまかなうように管理をし、補足として年金を受け取ることができる形を想定しておくということです。

柔軟な選択肢と今後の対応

まあ、これも考え方の一つというところで、繰り返しになりますが私自身はまだどうすべきか迷っている最中です。免除を受けても、過去10年以内であれば追納が可能です。判断に迷う場合は、一時的に免除を受け、後から納付するという選択肢もあります。私も今後、情報収集とシミュレーションを重ね、納得のいく決断をしたいと考えています。

将来に対する明確な答えが出にくいからこそ、自分自身の価値観やライフスタイルを軸に、柔軟に判断することが大切です。この記事が、同じように悩む方の一助となれば幸いです。


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