はじめに
ダイエットについては、非常に多くの情報があふれています。その中で、「ダイエットのための有酸素運動」について、特に下のような疑問がよく見受けられます。
- 朝と夜、どちらに運動するのが効果的か?
- 筋トレと有酸素運動、どちらを先に行うべきか?
- 食前と食後、どちらのタイミングで運動するのが良いのか?
多くのサイトでは、これらの疑問に対して一見納得できる解説がなされています。多くのサイトで、あたかも定説のように同じような説明がなされています。しかし、私なりに脂肪燃焼のメカニズムについて調べ、情報を整理してみたところ、それらの説明は、初心者の方に誤解を与える可能性があるのではないかと感じています。
私が気になった点は、「ダイエットのための有酸素運動であれば食前に行うのが正解」としているサイトが非常に多いことです。まるで判で押したように、同じ理論を展開してそのように結論づけています。
もしも、1日15~20分程度の短時間の有酸素運動しか想定していない、あるいは、短期間で脂肪燃焼の効果を実感したいということを目的としているのであれば、それら多くのサイトで語られている情報を鵜呑みにしても問題はないと思います。
しかし、私と同じように、ある程度の時間を有酸素運動に費やすことができる方、そして、目先の体重減少ではなく、時間をかけて健康的にダイエットを成功させたい方にとっては、その理論であれば結論は「食後が効果的」になるはずなのです。
この記事では、1日1時間など、有酸素運動にある程度の時間をとれる方、短期間の体重減少だけでなく、健康的なダイエットを目指す方に向けて、多くのサイトで説明されている理論を私なりに消化し、効果的な取り組み方について共有したいと思います。
朝と夜の運動はどちらが良い?
朝の運動のメリットとデメリット
メリット
- 目覚めとともに代謝が活性化し、一日の活動のスタートを切りやすい
- 体内の糖質が少なく、脂肪燃焼が促進される可能性がある
デメリット
- 体が目覚めていないため、パフォーマンスが発揮しづらい
- 空腹状態ではエネルギー不足になるリスクがある
夜の運動のメリットとデメリット
メリット
- 仕事や家事のストレス解消に効果的
- 体温が上がり、筋肉が柔らかくなっているためパフォーマンスを発揮しやすい
デメリット
- 夜遅くの激しい運動は睡眠の質に影響を与える可能性がある
この点については、それぞれにメリットデメリットはありますが、各自の生活リズムや都合に合わせるのが最も大切です。無理をして生活リズムを崩してまで朝が良い、夜が良いとこだわるより、自分がなるべく無理なく続けられる時間を選ぶことの方が重要です。
筋トレと有酸素運動の順番
筋トレと有酸素運動を組み合わせることで、脂肪燃焼効果を高めることができます。では、どちらを先に行うべきでしょうか?
筋トレを先に行うメリット
- 筋トレによって成長ホルモンが分泌され、脂肪燃焼が促進される
- 糖質を優先的にエネルギーとして使い、その後の有酸素運動で脂肪燃焼を効率的に行える
有酸素運動を先に行う場合のデメリット
- エネルギーを消費しすぎると、筋トレのパフォーマンスが低下する
- 筋肉の分解リスクが高まる
結論として、筋トレ→有酸素運動の順番が、脂肪燃焼効果を最大限に高めると言えます。
食前と食後、どちらが良い?
食前の有酸素運動のメリットとデメリット
メリット
- 血糖値が低いため、脂肪を優先的にエネルギーとして使いやすい
- 短期間で脂肪燃焼効果を実感しやすい
デメリット
- エネルギー不足で運動パフォーマンスが低下する可能性がある
- 長時間の運動を空腹時に行うと、筋肉分解が進むリスクがあります。筋肉量が減少すると、基礎代謝が低下し、痩せにくい体質になる可能性がある
- 低血糖による体調不良のリスクがある
食後の有酸素運動のメリットとデメリット
メリット
- エネルギーが確保され、運動パフォーマンスが向上する。長時間・高強度の運動も無理なく行うことができる
- 筋肉の分解リスクが低減され、基礎代謝を維持しやすい
- 消化を促進し、血糖値の急激な上昇を防ぐ
デメリット
- 血糖値が高いため、運動中は糖質が主要なエネルギー源となり、空腹時に比べて脂肪燃焼の割合がやや下がる可能性がある
- 食後すぐに激しい運動をすると消化不良のリスクがある
それぞれのメリットデメリットを確認しましたが、今回の結論を導き出すために、ここで正しく理解しておかなければならない情報を補足しておきます。
それは、食後に運動を行うった場合、体は糖質を優先的にエネルギーとして使用するため、脂肪燃焼効果は食前に比べて低下するかもしれませんが、全く脂肪が燃焼しないわけではないことです。
しかも、ウォーキングのような低強度の運動であれば、比較的早い段階から脂肪がエネルギーとして利用されます。
糖質を使い切らないと脂肪燃焼の効果が得られないと勘違いをしていると、食後の運動では脂肪燃焼は起らないと考えてしまいますが、そうではありません。糖質と脂肪、両方から平行してエネルギーの消費は行われることになり、その割合が若干下がると言うだけなのです。
長期的な視点でのおすすめのアプローチ
短期間で体重を落とすなら食前運動が有効かもしれませんが、長期戦覚悟で健康的に痩せるためには以下のポイントを押さえましょう。
- 総消費カロリーを増やす: 食後の運動は食前の運動に比べてエネルギー不足を起こす危険性が低く、、より長時間のトレーニングが可能になるため、結果として総運動量=総消費カロリーが増えます。脂肪の燃焼と同時に食事でとった糖質の消費もできるため、新たな脂肪の蓄積を防ぐ効果があります。
- 筋肉量を維持する: 筋肉は基礎代謝の向上に欠かせません。食後に運動することで、筋肉分解のリスクを避け、持続可能なダイエットが実現できます。また、総運動量が増えると筋肉がつきやすく、基礎代謝のさらなる向上も見込むことができます。
- 継続しやすい方法を選ぶ: 無理なく続けられる運動の習慣が重要
以上のことを考慮すると、長期的な視点に立った場合、有酸素運動は食前よりも食後に行う方がメリットが大きいと考えられます。
更に、食後であれば有酸素運動の前に筋トレを行う流れもスムーズです。糖質が充分にある状態で筋トレを行うことができ、それにより成長ホルモンの分泌が促進されて脂肪燃焼の効果が高まります。

私のダイエットプラン
今回の調査を踏まえ、私は以下の方法を実践することにしました。
- 食後、消化の時間を確保して筋トレを行う
- 筋トレ後の成長ホルモンの分泌が促された状態で有酸素運動を行い、脂肪燃焼効果を高める
この方法なら、筋肉量を増やしながら効率的に脂肪を燃焼できると考えています。
おわりに
ネット上には「食前が正解」と断定する情報が多いですが、それが必ずしも長期的に最適とは限りません。
短期的なダイエットには食前運動も有効ですが、健康的で持続可能な方法を考えるなら、食後の運動を取り入れる方が総合的にメリットが大きいと言えると思います。
また、ダイエットにおいて、運動の効果がどれくらいのなのかという事は、まだはっきり分からない部分が多いようです。今現在当たり前のように語られている理論が、数年後には覆されることもあり得ます。一つ言えるのは、摂取するエネルギーよりも消費するエネルギーの方が多ければ、体は何かしらのエネルギーを使用しなければならない。その時に、脂肪を効率よくエネルギーに変換できる体を作っておくことでしょう。
大切なのは、ネット上の情報を鵜呑みにするのではなく、自分で考え、判断することです。自分のライフスタイルや目的に合わせ、何が最適かを見極めながら、無理なく続けられる運動プランを見つけていくことが健康的なダイエットへの第一歩です。
もし、私の考えに共感していただける方がいらっしゃいましたら、ぜひご自身のダイエットに取り入れてみてください。